浦和レッズ監督の解任理由を考える。今後の展望と補強についても!
低迷中の浦和レッズは、鹿島アントラーズでJリーグ3連覇の実績を誇るオズワルトオリベイラ監督解任に踏み切りました。
予算規模でJリーグトップクラスの浦和レッズが2019年シーズンは13試合5勝2分け6敗と負け越して11位と低迷している理由と今後の展望についてまとめてみましたので
最後までご覧ください!
オリベイラ監督解任理由
2018年シーズン途中に就任したオリベイラ監督は、下位に沈んでいたチームを浮上させて、天皇杯優勝を果たしました。
2シーズン目となる今年は、日本代表フォワード杉本健勇選手、山中亮輔選手らを獲得して大型補強に成功し、オリベイラ監督のスタイルが浸透し、常勝軍団へと成長を遂げるかと思いきや、中位に低迷しました。
成績が伸びなかったことが監督交代の直接的な要因ですが、昨シーズンオリベイラ監督が就任した時ほど成績が悪いわけでもなく、アジアチャンピオンズリーグでもグループステージ突破を果たしており、解任されるほど成績が悪かったとは言い難いです。
それでも監督交代に踏み切ったことには、成績以外の理由もあるでしょう。
まずは、オリベイラ監督の守備的なスタイルです。
よく言えば、試合巧者で悪く言えばつまらないオリベイラ監督のサッカーは勝てなくなると選手、サポーターから不満がたまりやすいものだったといえますね。
2019年シーズンは13試合で10得点と18チーム中ワースト3番目。
チームとしての攻撃の形が見えないですし、個人能力で打開できる選手もいないので状況が好転しないとフロントは判断したのでしょう。
また、昨シーズンに堀監督解任後に暫定で指揮をとった大槻コーチは浦和ユースで長く指導していて、サポーター、選手、フロントからの信頼が厚く、オリベイラ体制でもコーチとして入閣。
浦和が積み重ねてきたスタイルとオリベイラ監督のスタイルとの両立を狙ううえでのキーマンでした。
オリベイラ監督は、その大槻コーチを現場から外したことでフロントとすれ違いが起こっていたことは想像に難くありません。
自分の代わりがいるようで仕事がしにくかったのか、意見の食い違いがあったのか分かりませんが、ブラジル人監督はスタッフをブラジル人で固めたがるので、オリベイラー大槻体制は最初から破たんしていたのかもしれません。
後任に大槻監督が就任したことからも浦和レッズ首脳陣はオリベイラ監督より、大槻氏を選んだという印象ですね。
ミシャ・サッカーからの脱却
また、浦和レッズの黄金期を形成したミシャ・ペトロヴィッチ時代からのスタイル変更に苦しんでいますね。
ミシャは変則フォーメーションの使い手で超攻撃的サッカーを標榜する天才で、2017年まで指揮をとりましたが、ミシャの後任堀監督が継続路線に失敗しています。
その後に就任したオズワルト・オリベイラのスタイルはミシャ・ペトロヴィッチのそれとは、全く別のもので、浦和レッズはミシャスタイルから決別しました。
しかし、独特なミシャスタイルに染まったベテラン選手は他のサッカーに馴染むことができずにオリベイラ監督は、得意の4-4-2システムを何度か導入しようと試みるも結局は断念。
ミシャ時代に慣れ親しんだ3バックに回帰していました。
同じく、ミシャ監督が浦和レッズの前に指揮をとっていたサンフレッチェ広島も4-4-2システムを試しましたが結局は3バックに戻っていますね。
魅力的なミシャ時代の攻撃的なスタイルには副作用があったわけですね。
大槻監督に託された未来
新監督の大槻さんに託されたミッションは世代交代です。
阿部勇樹選手、柏木陽介選手、槙野智章選手などミシャ時代の中心選手から、ユース監督時代に自身が指導した橋岡大樹選手、萩原拓也選手など若手選手に世代交代していくにはうってつけの人材です。
浦和ユースでは4-4-2ゾーンディフェンスが浸透しており、オリベイラ監督が諦めたスタイルに若手選手を起用しながら徐々に切りかえていくのではないでしょうか。
ミシャ時代には主力を固定したことで戦力の底上げにつながらなかったですが、投資をユース部門に集中させたことが、これからトップチームの力になっていくでしょう。
浦和レッズはここ数年で遠藤航選手、関根貴大選手のように若手から主力に育てても、海外移籍する事例が出てきていて、日本有数のビッククラブであっても国内の才能を引き留めることができなくなっているので、ユース出身の若手選手が優秀でも世代交代がうまくいくとは限らないのが悩ましいですね。
大槻体制のキープレイヤー
慣れ親しんだ3バックから4バックに変えていく可能性が高い大槻体制でのキープレイヤーは3バックと4バックのどちらも出来る選手ということになります。
センターバックは岩波拓也選手。
ヴィッセル神戸から移籍してきて3バックに苦しんでいたビルドアップ能力に優れた大型ディフェンダーは4バックで輝きを取り戻すのではないでしょうか?
左サイドバックは山中亮輔選手。
左利きの左サイドバックで横浜Fマリノスから1億円を超える移籍金で獲得した日本代表は守備で軽いところを改善できるとJリーグ最高の左サイドバックに成長するでしょう!
右サイドバックは橋岡大樹選手。
身体能力が高く2018年シーズン空中戦勝率がJ1でトップだった20歳の若者は大槻監督が浦和ユース時代に中心選手であり、固い信頼関係で結びついています。
ボランチは青木拓矢選手。
大宮アルディージャ時代に4-4-2ゾーンディフェンスで中心選手として活躍しており、大槻体
制では攻守の要として期待されます。
ポジショニング、判断力に優れた賢いプレーヤー。
サイドハーフは萩原拓也選手。
左利きで得点力に優れていて左右どちらのサイドでも起用できる浦和レッズユース出身の若手選手。
フォワードは杉本健勇選手。
日本代表の肩書を引っさげてセレッソ大阪から移籍してきた大型フォワード。
浦和レッズでの活躍はこれまでのところ期待はずれに終わってしまっていて、監督交代をきっかけに復調してもらわないと年俸は1億円近いといわれているので、困りますね。
大物選手獲得?
浦和レッズは大物選手の獲得をフロントは狙っているようですが、実現していません。
イニエスタ選手、ビジャ選手、ポドルスキ選手を獲得したヴィッセル神戸と比較するとさみしいですね。
予算規模ではヴィッセル神戸に次ぐJリーグ2番手の浦和レッズですから、ヨーロッパの移籍市場が終わる今夏に大物選手の獲得に動いても、おかしくありません。
すでにバイエルン・ミュンヘンの元オランダ代表アリエン・ロッベン選手のJリーグ移籍が報じられているので浦和レッズが獲得するかもしれませんね。
アトレティコ・マドリードの元スペイン代表ファンフラン選手も元チームメイトのサガン鳥栖フェルナンド・トーレス選手に誘われてJリーグ移籍を画策しているようです。
クラブOBの長谷部誠選手も古巣愛が強いですし、戻ってくるかもしれません。
ヴィッセル神戸に負けない話題を提供してくれることを期待したいです!
最後に
今回はオリベイラ監督が解任され大槻新監督が就任した浦和レッズについてまとめてみました。
リーグ優勝から遠ざかっている浦和レッズは観客動員でも苦戦しており、Jリーグ全体にとっても浦和レッズの復活が待たれます。
アクセスの悪いさいたまスタジアムに直結駅を新設する計画もあり、行政サイドへの説得材料に目に見える結果が欲しい時期です。
果たして浦和レッズは低迷期を脱することが出来るのか?
期待したいですね!