浦和レッズの新監督にリカルド・ロドリゲス内定?。
J1浦和レッズは25日、昨季途中から指揮を執る大槻毅監督が今季限りで退任すると発表した。来季の新監督候補として、J2徳島のリカルド・ロドリゲス監督に候補を一本化しています。
浦和は今季ここまで13勝6分け11敗の9位。優勝争いには絡めず、目標に掲げるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得も厳しい状況。
育成年代の指導や分析担当のコーチなどを務めた大槻監督は昨季5月に就任し、ACLでは準優勝に導いた。クラブを通じ「目の前にまだ4試合大切な試合がある。私に課せられた仕事を全うする」とコメントして来季への明言を避けました。
浦和は今年から3カ年計画でチーム再建中で、2022年J1優勝を公約にしていますが、1年目でとん挫したということでしょうか。
来季の舵取り役としてJ1湘南元監督のチョウ・キジェ氏らも有力候補に挙がったものの、断られたのかJ2首位の徳島ヴォルティスのリカルド・ロドリゲス監督が後任に決まったと複数紙が報道しています。
チョウキジェ氏は京都サンガの来季監督に決定的という報道もあったので、浦和レッズは来季リカルド・ロドリゲス監督で臨むことになりそうですが、徳島ヴォルティスは現在J2首位で昇格した場合にもリカルド・ロドリゲス監督は浦和レッズを指揮するのであれば徳島ヴォルティスからすると痛手で、その場合には柏レイソル、ヴァンフォーレ甲府を指揮した吉田達麿監督が後任候補に挙がっていると報じられています。
全く一貫性が感じられない浦和レッズの監督人事。
長く強豪と呼ばれるチームには、一貫したチームスタイルがあり、そのスタイルはそのチームの文化的な背景と結びついていることも少なくありません。
レアルマドリードはもともとスペイン王朝のクラブですからスター軍団で前線のタレントを組み合わせるスタイルとなり、FCバルセロナはレアルマドリードに対抗するため独自の戦術を作り上げ育成年代から共通した戦術、技術指導を武器にしたポゼッションスタイルが有名です。
日本でも鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、サンフレッチェ広島、ガンバ大阪は、監督によって違いはあっても大きなチームスタイルの変化はなく継続性を持って強化できるのでロスが少なくなり安定した強さを発揮しています。
浦和レッズは逆に一貫性がありません。
浦和レッズの黄金期は2回あり、一度はギド・ブッフバルト監督時代。
田中マルクス闘莉王や長谷部誠、ワシントンを擁してアジアチャンピオンズリーグを制覇しました。
2度目はミシャ・ペトロヴィッチ監督時代でJ1優勝はありませんでしたが、毎年タイトル争いに絡み魅力的な攻撃的サッカーを展開しました。
現在のチームは2度の黄金期から継続したものは皆無で継続的な強化ができなかったことが象徴されています。
また、ミシャ・ペトロヴィッチ監督のスタイルは浦和レッズサポーターからはあまり評判が良くなかったようで、後方から時間をかけてビルドアップするスタイルよりも前に前に前進していくサッカーの方がサポーターからの評判は良いと考えられます。
浦和レッズのサポーターが持つ気質はリバプールFCに近い気がします。
リヴァプールFCは熱いサポーターとピッチとの距離が近いホームスタジアムアンフィールドを持ち、守備も前から、攻撃も前へという勢いとサポーターの圧力を前面に出すスタイルは伝統的なものです。
浦和レッズも熱いサポーターの応援とホームのさいたまスタジアム2002はサッカー専用スタジアムで醸し出す相手への圧力はJリーグナンバーワンともいえますから、リヴァプールFCのようなハイプレス、カウンター戦術が合っていると思います。その点ではチョウキジェ氏は適任だったと思います。
リカルド・ロドリゲス監督は浦和レッズに合っているのか?
リカルド・ロドリゲス監督が4年間徳島ヴォルティスで出した結果と内容を見れば、有能な監督であることは明らかで、戦術家としては日本人監督よりレベルがワンランク上と感じます。
リカルド・ロドリゲス監督の徳島ヴォルティスでのスタイルはボール保持率は11月25日時点でfootballabによると57%とリーグ2位ですが、攻撃回数はリーグ最下位の22位で1試合のシュート数は7位となっており、自陣でのボール保持の時間が長いといえます。
ゴールキーパーからのビルドアップはミシャ時代と共通していますが、ミシャペトロヴィッチ監督は攻撃回数もシュート数も多いので、リカルド・ロドリゲス監督はよりポゼッションスタイルを守備的に活用するタイプの監督といえるでしょう。
そのため、ボールを持ったらゴールを目指せというサポーターのマインドとは合致しない可能性があります。
リカルド・ロドリゲス監督は有能なのでそこそこ結果は出すと思いますが、浦和レッズのスタイルとして定着するかは疑問です。
さいごに
セレッソ大阪も攻撃的なマインドを持ったチームでしたが、守備的なスタイルを好むロティーナ監督を2019年に招聘しましたが、結局は結果はある程度出ましたが、サポーターと選手が退屈なサッカーに耐えかねて今シーズンで退任することになりました。
セレッソ大阪の例を見てもリカルド・ロドリゲス監督のような浦和レッズのチームカラーに合わない監督を連れてきても長期的な成功は望めない気がします。