J1リーグ再開へ練習試合で調整するチームの現状をチェック! - こんな時には・・・・

J1リーグ再開へ練習試合で調整するチームの現状をチェック!

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鹿島アントラーズ、浦和レッズ、名古屋グランパス、サンフレッチェ広島の仕上がり具合はどうかな?

新型コロナウイルスで中断した公式戦の再開を控えるJリーグは、選手や審判員らを対象に先週から実施した初めてのPCR検査を21日に終え、近くJリーグが結果を公表する方針で、検体は約3400で問題がなければ、再開へ向けて近づくことになります。

プロ野球が6月19日に開幕し、J1のチームは7月4日再開の公式戦に向け順調に準備が進んでいます。

各クラブは練習試合で再開に向けコンディションを上げています。

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練習試合の仕上がり具合は?

今回は練習試合をおこなった鹿島アントラーズ浦和レッズ名古屋グランパスサンフレッチェ広島の仕上がり具合をチェックしてみます。

鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズFC町田ゼルビアと練習試合を行いました。
町田ゼルビアは、昨季J2で18位に終わり、今季はランコ・ポポヴィッチ監督が9年ぶりに復帰して、攻撃的なサッカーにシフトチェンジを図っています。13日に浦和レッズと練習試合を行い、2-1で勝利。中3日で川崎フロンターレとも練習試合をこなし、中2日で鹿島との対戦というスケジュールでコンディションは鹿島アントラーズが上だったでしょう。
結果は45分×4本で鹿島アントラーズが3本目にオウンゴールで先制し、そのまま1-0で試合終了。鹿島アントラーズが内容は悪かったもののJ1の意地を見せています。
鹿島アントラーズのスタメンは442でキーパークォン・スンテ、永戸、町田、関川、内田、名古、レオ・シルバ、三竿、和泉、アラーノ、エヴェラルド。
鹿島アントラーズは、常勝軍団と呼ばれる名門ですが、昨シーズンは無冠に終わり、これまでのやり方を捨てて、欧州の戦術トレンドを導入するためにザーゴ監督を招聘しました。
鹿島アントラーズはこれまでのやり方の方が現状勝てるでしょうが、進化するには痛みも時間も必要で、今シーズンは結果を出すのが難しいと思いますが、フロントがどこまで我慢するのか?進化するうえで必要な犠牲なのかをどう判断するかは難しいですね。
鹿島アントラーズは、最終ラインでボールを持つと、ボランチの選手が1人降りてきて、町田の2トップに対して数的優位を形成して丁寧にビルドアップを始めます。昨シーズンまでは、ロングボールを蹴ってセカンドボールを拾うシーンでも繋ぎにいきます。町田のシステムは442で鹿島アントラーズも442なのでボランチの三竿健斗選手が最終ラインに降りてビルドアップをする形になることが多かったですね。
しかし、後ろの3人は余裕があるにも関わらず、縦パスを出し、待ち構えていた町田の選手が難なく対応。ゾーンで守備をセットする町田の選手を動かすことなく攻めるのでボールを失い不用意にカウンターアタックを受ける鹿島アントラーズらしくないシーンが多かったです。
ビルドアップに不安がある後方の選手がボール保持のために相手から距離を取りすぎて全体が間延びしていく悪循環は開幕から変わっていません。
たまに良い組み立てから崩してもゴール前に人がいないのも変わっていませんでした。
鹿島アントラーズの本質的な問題は選手編成にあります。
ザーゴ監督は縦パスを通す能力に優れたセンターバックを求めていて、左センターバックには左利きの選手を起用しますが、鹿島アントラーズの左利きセンターバックは経験不足の町田選手のみで、杉岡選手をセンターバックにコンバートさせていますが、湘南ベルマーレではウイングバックだったので期待するのは酷でしょう。
右センターバックは、関川選手、犬飼選手、奈良選手が候補で昨シーズンのレギュラーだったブエノ選手は放出しました。
4人いたセンターバックでビルドアップが得意なタイプはおらず、戦術とミスマッチです。
このように選手編成がザーゴ監督が求めるサッカーにマッチしていないことは問題です。
伊藤翔選手、白崎選手、奈良選手、上田選手といった他のチームならレギュラークラスの選手の序列が低くチームの不満分子になりかねません。
夏の移籍市場では戦術が合わない選手を放出して、ビルドアップが得意なゴールキーパー、センターバックとドリブルで突破できるウイングを獲得する必要があるでしょう。
ザーゴ監督は試合後のコメントで「本格的な試合、レッスンが今日はできたと思います。カウンターを主体とした相手に対して、どのように自分たちのサッカーができるのか。練習してきたことを表現すること、それに結果を出すこと、その二つを求めて臨み、非常にいい内容になったのではないかなと感じています。相手に大きなチャンスを与えませんでしたし、来週の横浜FC戦が最終テストになってくると思っています」
「当然チームとして安定してきていることが、非常に良かった。大きく崩されるシーンは4本目の一度ぐらいで、そこも曽ヶ端選手の好セーブで防いでくれました。攻撃の部分では、何をしたいのか、チームのコンセプトやモデルケースを全員が意識高く示してくれました。もう一つ、何より良いことは、数年ぶりにケガ人がいない状況になっていることです。それは非常に良いことで、開幕を全員が揃った状態で迎えることができる、連戦を全員で戦うことができる、選手たちがそういった意識を持って取り組んできた成果が出てきていると思います」と述べていて手応えを口にしていましたが、再開までにチーム構築できるでしょうか?
個人的には高卒ルーキーの荒木選手のドリブル突破が魅力的で収穫だったと思いますが、それ以外にポジティブな要素は見出だせませんでした。

浦和レッズ

町田ゼルビアとの練習試合30分×4本で1-2で敗れた浦和レッズは新システムの4-4-2がまだ浸透しておらず、ビルドアップの整理ができずボールを持たされて、コンパクトな守備を続けた町田ゼルビアにボールを奪われてカウンターを受けるという悪循環が続きました。
町田ゼルビアの2トップに対して阿部勇樹選手がボランチから1列降りて3対2でビルドアップをしていましたが、チームとしての形ではなく個人の判断だったと思いますし、チームとしてまだビルドアップが整理されていない一面が見えました。
新加入のオーストラリア人センターバックのデン選手、青森山田高校から加入した武田英寿選手の好パフォーマンスは印象的でしたが、全体のコンディションはまだまだ低く、大槻監督が目指すサッカーの方向性もあまり感じませんでしたね。

名古屋グランパス

ランゲラク選手、金崎夢生選手が新型コロナウイルス感染の影響で不在だった名古屋グランパスはJ3のFC岐阜にロスタイムPKで1-0の辛勝でした。
攻撃的なサッカーを目指しているというフィッカデンティ監督は明らかに守備的な戦術が得意な監督でビルドアップはバランス良くできていましたが、崩しの局面までは連携が作りこめておらず、前線の個人技に依存するところがあり、とくに守備を固められると苦しいという印象で、ジョー選手が退団したこともかなりマイナスに働くでしょう。ただし、シミッチ選手、阿部浩之選手が中心によい攻撃の形はなんども作っていました。
守備では無失点でしたが、危ないシーンを何度も作られていて、ショートカウンターの脆さが見えました。
新加入の金崎夢生選手の起用方法が今シーズンの名古屋グランパスの命運を握りそうです。

サンフレッチェ広島

サンフレッチェ広島は広島市の広域公園第1球技場でJ3ガイナーレ鳥取と練習試合を行った。結果は広島が2-0で勝利。後半9分、MF川辺駿選手が3列目から飛び出して右足で先制点。さらに同44分、J2松本山雅FCから加入したFW永井龍選手が右ダイレクトボレーで追加点を挙げています。
先発はGK大迫、DF野上、荒木、佐々木、MFハイネル、川辺、青山、柏、エゼキエウ、森島、FWレアンドロ・ペレイラ。
城福監督はミシャ、森保監督と続いてきた3-6-1システムをうまく引き継いでおり戦術的な完成度は非常に高く、前半からポゼッションで圧倒し危なげなく勝利しています。
サンフレッチェ広島は、省エネモードの使い方がうまく、ボール保持しながら休みの時間を作ることができるほどポゼッションは安定していて過密日程では、このような狡猾な戦い方ができるのは強みといえるでしょう。
この試合の完成度の高さを見る限りサンフレッチェ広島は安定して上位争いに食い込むシーズンとなりそうです。

さいごに

今シーズンのJリーグは資金力のある鹿島アントラーズ浦和レッズ名古屋グランパスの3チームは不調で、上位進出のチャンスはどこのチームにもありそうです。

昨シーズン優勝の横浜Fマリノスは研究されるでしょうし、天皇杯優勝のヴィッセル神戸は選手層が薄くベテラン偏重の選手構成が過密日程に向いていません。

川崎フロンターレセレッソ大阪サンフレッチェ広島の3チームは順調にチーム作りが進んでいて、上位に確実に顔を出すでしょう。