北海道コンサドーレ札幌の戦力は?
今回は2021年シーズンの川崎フロンターレと北海道コンサドーレ札幌の戦力分析を行います。
補強の動きが早く、監督も長期政権が続き、2021年シーズンへの体制を早く整えた2チームは外国人選手の入国規制の状況が変わる中で被害を小さく抑えることに成功したといえるでしょう。
2021年シーズンは新監督が多いですが開幕は2月26日と例年より早くキャンプでチームを作る期間はあまりありません。
あまり動かなかった2チームは有利な状況といえるでしょう。
北海道コンサドーレ札幌
北海道コンサドーレ札幌の2021年シーズンの選手の入れ替えはこちらです。
IN
GK
大谷 幸輝←ーーーアルビレックス新潟
中野小次朗←ーーー法政大(新加入)
DF
岡村 大八←ーーーザスパクサツ群馬
柳 貴博←ーーーFC東京 (完全移籍)
中村 桐耶←ーーーHonda FC (復帰)
MF
小野 伸二←ーーー FC琉球 (完全移籍)
青木 亮太←ーーー名古屋グランパス(完全移籍)
FW
ガブリエル←ーーーウィダド・カサブランカ (完全移籍)
小柏 剛←ーーー明治大 (新加入)
中島 大嘉←ーーー国見高(新加入)
OUT
GK
カウィン・タンマサッチャーナンーーー→OHルーヴェン (BEL) (レンタル期間満了)
DF
石川 直樹ーーー→引退
進藤 亮佑ーーー→セレッソ大阪 (完全移籍)
濱 大耀ーーー→カターレ富山(レンタル)
MF
早坂 良太ーーー→引退
白井 康介ーーー→京都サンガ(レンタル)
FW
ウーゴ・ヴィエイラ ーーー→契約満了
藤村 怜ーーー→モンテディオ山形(レンタル)
岩崎 悠人ーーー→ジェフ千葉(レンタル)
北海道コンサドーレ札幌は就任して4年目を迎えたミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率います。
過去のミハイロ・ペトロヴィッチ監督はサンフレッチェ広島、浦和レッズ時代にともに6年目で退任しています。ミシャのチームはメンバーを固定してチームが完成して衰退するまで6年程度かかり、4年目に高い順位を記録しています。
チームのサイクルからすると2021年シーズンが最高の状態になるはずでした。
しかしながら、サンフレッチェ広島と浦和レッズ時代とは違い、中心選手だったク・ソンユン、鈴木武蔵、進藤亮佑が移籍で抜け、ジェイはシーズンの半分稼働できない程度にパフォーマンスが落ちています。
一方で昨シーズンは大卒の3人田中駿太、高嶺明樹、金子拓郎がレギュラークラスに成長。
チーム戦術も降格なしを利用してマンツーマンハイプレス路線に大幅にシフトしているので、新しいミシャ札幌体制の1年目に入ったという印象も受けます。
補強を見ると大卒の二人中野小次郎、小柏剛は昨シーズンから特別指定で試合に出場しており、すでにレギュラークラスの評価を得ています。
ザスパクサツ群馬から岡村大八、FC東京から柳貴博を獲得してスピードのある選手で最終ラインを固め、ハイラインに適した選手を補強。
青木亮太は宇宙人とも評される天才系ドリブラーでチャナティップの代役と切り札的な起用法になるはずです。
元ナイジェリア代表ガブリエルは身長188㎝で左利きのポストプレーヤー。
スピードもあり抜群の身体能力を持つ188㎝の大型ポストプレーヤーでジェイの代役候補ですが、ポジションを奪うポテンシャルは十分あります。
補強方針を見ると今後の北海道コンサドーレ札幌はミシャ体制2期目に突入するため、中心選手になり得る22歳から25歳までの伸びしろがある即戦力を獲得していることと、過密日程と5人交代枠を考慮して、切り札的に起用でき、誰が抜けても同じ役割をこなすことができる選手層を揃えています。
ベテランが少ないため、小野伸二を獲得して精神的な支柱と若手育成、入場料収入が見込めない中で話題性を発揮するなど試合での貢献度が高い選手を補強。
昨シーズンからの戦力流出はなく、ポイントを抑えた補強ができていますが、新しい戦術をどれだけ整備していくことができるかという部分が課題となるでしょう。
昨年は主力選手のシーズン途中の流出、過密日程により怪我人の続出と選手層の薄さ、シーズン中の大幅な戦術変更の影響によってミシャ体制で最悪の12位に沈みましたが、若手選手の台頭と戦術面での引き出しの多さを手に入れ、移籍市場では弱点を補強することに成功したといえるでしょう。
注目選手は小柏剛で昨シーズンすでに特別指定で5試合に出場して即戦力級の活躍を見せた大学ナンバーワンフォワードの呼び声も高いです。
俊敏でスピードに恵まれ小柄で狭いスペースでもドリブル突破が出来てラインブレイクも得意なアタッカーです。
鈴木武蔵選手の移籍で裏のスペースを使うスピードがあるフォワードの不在が攻撃面で問題を起こしていましたが、小柏剛が救世主になる可能性はあります。
ただチャナティップとポジションが被るため、この二人の起用方法に注目です。
川崎フロンターレ
鬼木達体制5年目を迎える2021年シーズンの選手の入れ替えはこちら。
IN
GK
イ・キョンテ←ーーーファジアーノ岡山( レンタル延長)
DF
田邉 秀斗←ーーー静岡学園高(新加入)
MF
小塚 和季←ーーー大分トリニータ (完全移籍)
塚川 孝輝←ーーー松本山雅 (完全移籍)
ジョアン・シミッチ←ーーー名古屋グランパス
橘田 健人←ーーー桐蔭横浜大(新加入)
FW
知念 慶←ーーー大分トリニータ(復帰)
遠野 大弥←ーーーアビスパ福岡(復帰)
宮城 天←ーーーカターレ富山 (復帰)
OUT
DF
ジオゴ・マテウスーーー→フェホヴィアリア (BRA) (レンタル終了)
タビナス ジェファーソンーーー→水戸ホーリーホック(完全移籍)
MF
中村 憲剛ーーー→引退
下田 北斗ーーー→大分トリニータ (完全移籍)
守田 英正ーーー→サンタ・クララ (POR) (完全移籍)
齋藤 学ーーー→名古屋グランパス (完全移籍)
原田 虹輝ーーー→ガイナーレ鳥取(レンタル)
カイオ セザールーーー→ V・ファーレン長崎 (完全移籍)
FW
宮代 大聖ーーー→徳島ヴォルティス(レンタル)
現時点で9人放出で9人獲得。
外国人枠も埋まっていることからここからの大きな補強はなく、移籍市場での動きはほぼ終わりと予想します。
川崎フロンターレは2020年シーズンは26勝5分3敗 88得点31失点と圧倒的な強さで優勝し天皇杯も制し2冠を獲得しました。
2021年シーズンも優勝候補最有力は川崎フロンターレだと思いますがすべてが順調なわけではありません。
長年チームを支えてきた中村憲剛選手が引退。
シーズンを通してアンカーポジションを務めた守田英正選手が海外移籍したことで中盤の選手層は薄くなっています。
2021年シーズンは小塚 和季選手、塚川 孝輝選手、ジョアン・シミッチ選手とパサータイプの選手を獲得しました。
守田英正選手の代役として期待されているであろうジョアン・シミッチ選手はボールの持ち方に癖がある左利きでボールを動かすテンポが遅いのが気がかりです。
川崎フロンターレは昨シーズンウイングからサイドバック、センターバックが大きくUの字を作り相手の守備ブロックの外側を回すルートを確保しながらアンカーの守田英正選手のポジショニングと素早いパス捌きでボール保持していたので、両足を器用に使えないジョアン・シミッチ選手だと経由する時間が長くなりプレッシングで囲まれやすい。
また、守田英正選手よりもジョアン・シミッチ選手の守備範囲は狭い印象です。
田中碧選手でもアンカーは務まりますが、ドリブルとゴール前の飛び込みの能力を考えると本来はインサイドハーフで起用したい選手。
戦術的に守田選手は昨シーズンのキーマンで影のMVPですからアジアチャンピオンズリーグと並行してリーグ戦を戦ううえで中盤の選手のやりくりには苦労しそうです。
また、川崎フロンターレは昨シーズンの3敗はハイプレス型のチームに敗れていて、ゴールキーパーにビルドアップ能力が低いチョンソンリョン選手を起用しているところは弱点となっています。
ゴールキーパーからのやり直しができないという意味では自陣ビルドアップには改善の余地は大きいですが、補強からはそこを改善する意識は感じません。
また、三苫薫選手、田中碧選手には海外へステップアップする可能性があり、ベテラン家長昭博選手の代わりも見つかっていないのは不安要素ですね。
フォワードは小林悠選手、レアンドロ・ダミアン選手は残留で問題なし。
また、知念慶選手と遠野大弥選手がレンタルから復帰。
スピードのある遠野大弥選手はアビスパ福岡のJ1昇格に大きく貢献し成長しており、昨シーズン居なかったキャラクターなので、違いを生み出す選手として個人的に注目しています。
さいごに
Jリーグは開幕戦のカードを発表。
北海道コンサドーレ札幌は横浜FCと、川崎フロンターレは横浜Fマリノスとそれぞれ対戦します。
川崎フロンターレは4月にアジアチャンピオンズリーグのグループステージが開催されますが、日程通り開催できるかは不透明な状況で難しさはあると思います。
東京オリンピックの開催も不透明ですから、何があっても対応できる選手層をそろえているチームが有利なシーズンで計算できる選手を早く確保した2チームだと思います。